1. 始めに
年始になると、今年の経済・法律情勢はどうかという話がよく議論される。特に日本はゼロゼロ融資の問題 もあり、法的倒産事件が増加するのではないかとも議論されるが、近時の情勢においては、それ以外のいく つかの点に留意する必要があるように思える。概括すると、①法的倒産手続への社会の期待はそれほど大き くない状態にあること、②他方で、経済的苦境以外の法的問題点が増加していること、③もう少し幅広い視
点で見ると、経済環境の変化をどのように捉えるか、という 3 点が重要といえる。
2. 私的整理手続が活発な理由
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1. 始めに
JV(ジョイントベンチャー)は、自社の持たないノウハウ・経営資源等を JV パートナー間が JV を通じて相互に提供することで新たな価値を創出すると共に、リスクを適切に分担することに存在意義の 1 つがある。しかしながら、①一旦、JV パートナー間の関係が悪化すると、デッドロックや契約違反が生じ、円滑なビジネス運営に支障をきたし、また、②JV(対象会社)の財務状況が悪化すると、当該損失の処理を巡っ て、JV パートナー間で軋轢が発生することがある。
そこで、本稿では、そのような JV の処理を巡る問題を概観することとする。
2. 契約上の攻防
まず、JV パートナー間の関係が悪化した場合に備えて、通常は JV 契約において、①JV 関係の解消方法に関する条項、及び②紛争解決手段に関する条項が記載されていることが多いため、当該条項に従って処理を 行うことが想定される 。
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